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スーパービジョン

心理療法・CBTのエキスパート坂野雄二によるスーパービジョンのご案内

 医療法人社団五稜会病院札幌CBT&EAPセンターでは、こころの健康に携わっているさまざまな専門職の方々を対象として、当センター長坂野雄二による心理療法/カウンセリングのオンラインスーパービジョンを開催しています。
 心理療法やカウンセリングをやっているがどうもうまくいかない、でも、どうするとよいかわからないという経験をお持ちの方はたくさんいるのではないでしょうか。また心理療法やカウンセリングのスキルアップを図りたいと日ごろから考えていらっしゃる方も多いのではないかと思います。参考書籍や文献を「解読」してもその実際がわからないという時、当センターのスーパービジョンがその解決のカギを提供いたします。

Ⅰ.札幌CBT&EAPセンターのスーパービジョンには2つのタイプがあります。

(1)個人スーパービジョン

 スーパーバイザーが参加者に一対一で行うスーパービジョンです。ここでは、

  1. 現在担当している事例への対応についてアドバイスが欲しい
  2. 心理療法/カウンセリング/相談業務をやっているけれど、どうもうまくいかない。どのような工夫が必要かを知りたい
  3. スキルアップしたい
  4. これから心理療法/カウンセリング/相談業務を始めたいが、どうするとよいか具体的なアドバイスがあるとうれしい
  5. 心理療法/カウンセリングの基礎知識を増やしたい。特に、認知行動療法の基礎を学びたい
  6. ケースレポートや論文の書き方を学びたい

という方々を対象に一緒に学ぶ機会を提供し、スーパーバイズします。
 テーマは参加される方から希望を伺い、1回のみのスーパービジョンから、継続的に行われるものまで、さまざまな場合が考えられます。また、下記の認知行動療法師になるためのスーパービジョンと並行して参加することも可能です。

(2)認知行動療法師になるためのスーパービジョン

 一般社団法人日本認知・行動療法学会では、認知行動療法(CBT)の適正な普及啓発を狙いとして、学会員であるかどうかにはかかわらず、その人が認知行動療法を専門的に実施する力を持っているかどうかを審査し、一定の条件を満たす人たちに対して、学会認定「認知行動療法師」の資格を授与する制度があります(http://jabt.umin.ne.jp/qualification/)。そして、資格申請を行う要件の一つとして、「認知行動療法を行った1ケースについて、その開始から終了まで継続的にスーパービジョンを受け、ケースレポートを提出すること」が求められています(認知行動療法師資格認定規定第4条第4項参照)。
 そこで、認知行動療法師になるためのスーパービジョンでは、CBTの開始から終了までスーパービジョンを継続的に行うことによって資格取得のためのトレーニングを行うとともに、当該のクライエントさんの問題改善を一緒に考えます。また、ケースレポートの作成を指導します。
 なお、認知行動療法師になるためのスーパービジョンには、学会が指定するいくつかの条件がありますが、本資料の最終頁の添付資料にその概略をまとめましたのでご参照ください。詳細は学会ホームページでご確認ください(http://jabt.umin.ne.jp/qualification/)。

Ⅱ.ご参加いただける方

(1)すべてのスーパービジョン

以下の項目にご同意いただいた方にご参加いただきます。
  1. 参加できる方は、メンタルヘルス支援に現在かかわっている専門職の方々です(職種、フィールドは問いません。教育訓練中の大学院生を含みます)。
  2. メンタルヘルス支援に関わろうと訓練を受けている大学院生の場合、指導教員の同意を得てください(承諾書の提出を求めます。様式はお申込みの後送付します)。
  3. 事例検討の場合には、対象者にスーパービジョンを受けること、対象者の情報をスーパーバイザーに知らせること、及びスーパービジョンでは対象者の個人情報は保護されることを説明し、同意を得てケースレポートの提供ができる方に限ります。対象者の同意を得たことを確認するために確認書の提出を求めます(様式はお申込みの後送付します)。患者さん/クライエントさんの人権の保護、および個人情報の保護に十分に配慮してください。
  4. スーパービジョンの場にケースに関する情報を提出することは、皆さんが所属する機関外に情報を持ち出すことになりますので、皆さんが所属する機関の倫理規範等に抵触しないことを確認してください(必要に応じて許可を取ってください)。
  5. 参加要領・参加費・お申し込み方法、本スーパービジョンの実施方法にご同意いただいた方にご参加いただきます。
  6. スーパービジョンの場で知りえた情報を外部に漏洩することを禁止します。

(2)認知行動療法師になるためのスーパービジョン

 上記(1)に加え、一般社団法人日本認知・行動療法学会認知行動療法師資格認定規程および細則に定められた要件を満たしている、あるいは資格認定申請までの間に満たすことができることが必要です(この申請は学会員に限定されません)。
 要件の詳細は一般社団法人日本認知・行動療法学会HP(http://jabt.umin.ne.jp/qualification/)を参照のうえ、各自で確認してください(要件に関する問い合わせは学会宛にお願いします)。
 なお、申請時に提出が必要なケースレポートでは、認知行動療法の適用を判断し、適用開始の時点から終了時まで継続してスーパービジョンを受けていることが必要となります。したがって、本スーパービジョンの実施期間、スケジュールはスーパービジョン参加者と相談して決定します。
 ご参加される方は、上記(1)の注意事項に加え、対象者に資格申請のためにスーパービジョンを受けること、対象者の個人情報をスーパーバイザーに知らせること、資格申請のために学会対象者への相談/介入に関するケースレポートを提出すること、及びいずれの時にあっても対象者の個人情報は保護されることを説明し、同意を得てください。初回のスーパービジョンの際に確認書を提出していただきます。

Ⅲ.スーパービジョンのスケジュールと形式

(1)実施方法

  1. スーパービジョンはzoomを用いた個人リモートセッションで行います(札幌CBT&EAPセンターにおいでいただくことが可能な方には、しっかりとした感染予防策をとったうえで、対面で行うことがあります)。なお、インターネット接続やZoomの設定等の通信環境設定は参加者が行ってください。センターでは通信環境設定のお手伝いはできません。また、通信料金、対面実施の場合の交通費等は参加者の負担となります。スーパーバイザーへの文書、画像等資料の提出方法は、お申込みいただいた後に資料と共にお知らせします。
  2. すべて予約制です。予約は下記の「Ⅴ.お申込み方法」の項に従って行ってください。
  3. 第2、第4土曜日の午後2時~午後5時の時間帯で調整します(祝日を除く)。
  4. 所要時間は、個人スーパービジョンは、1セッションあたり50分です。認知行動療法師になるためのスーパービジョンは、学会のガイドラインに従い、1セッションあたり30分です。回数は参加者と相談の上決定します。

(2)認知行動療法師になるためのスーパービジョン

上記の実施方法に加え、次のような点に留意してください。
  1. 認知行動療法師の資格申請を行う要件の一つとして、「認知行動療法を行った1ケースについて、その開始から終了まで継続的にスーパービジョンを受け、ケースレポートを提出すること」が求められています(認知行動療法師資格認定規定第4条第4項参照)。この要件を満たすためには、認知行動療法の適用であると判断されるケースがあった時点で速やかにスーパービジョンをお申込みいただき、初回の予約をしていただくことが必要となります。
  2. 回数の目安は、当該ケースに係るCBTセッション数(毎回、もしくは2回に1回程度)です。ケースレポート作成のために追加回数が生じることがあります。
  3. 1セッションあたりの所要時間は学会のガイドラインに従い30分です。
  4. 下記<付録>をご参照ください。

Ⅳ.参加費

  1. スーパービジョンは有料です。事前にお支払いいただきます。お支払い方法は、下記の「Ⅴ.お申込み方法」の項に従ってください。
  2. 参加費(消費税を含む)は以下の通りです。
個人スーパービジョン
10,000円
50分(1セッションあたり) 
個人スーパービジョン(大学院生、ただし有職の社会人大学院生を除く)
6,000円
50分(1セッションあたり) 
認知行動療法師のためのスーパービジョン
5,000円
30分(1セッションあたり) 
なお、大学院生は、初回のスーパービジョンの際に学生証を確認します。

Ⅴ.お申込み方法

下記の「お申込みはこちら」ボタンをクリックすると申込みページ(STORES予約サイト)に遷移します。
申込フォームをご入力のうえお申込みください。

お問い合わせ先

札幌CBT&EAPセンター、本件専用のアドレスです。

スーパーバイザーの紹介



坂野雄二(さかのゆうじ)
 まずは、スーパーバイザーの坂野雄二にまつわるエピソードです。
 かつて、金剛出版が発行する季刊「精神療法」の増刊第1号「先達から学ぶ精神療法の世界」(2014)で、精神療法の専門家14名の一人として取り上げられました。ある学会で紹介された時、若い方から「まだ生きてらしたんだ、文献に出てくる先生は死んでると思ってました」という声が出たのを耳にしました。まだ現役ですのであしからず。今回のスーパービジョンでは、参加される方々が心理療法家、カウンセラーとして一回り大きくなることができるよう、精いっぱい頑張ります。
 現在、医療法人社団五稜会病院心理室顧問/札幌CBT&EAPセンター長として勤務していますが、これまでさまざまな仕事をしてきました。
 スタートはミュンヘン大学心理学研究所臨床心理学科客員助手でしたが、そこでは、行動療法のトレーニングを受けました。外来の患者さんを相手に、慣れないドイツ語の面接で悪戦苦闘したのを覚えています。その後、千葉大学教育学部講師・同助教授、早稲田大学人間科学部助教授・同教授、北海道医療大学心理科学部教授として仕事をし、早稲田大学と北海道医療大学では、新しい学部・大学院の立ち上げ作業を行っています。その間、フィリピン・デラサール大学行動科学科交換教授、米国サウスカロライナ大学医学部神経精神医学・行動科学科客員教授、米国サウスウェストテキサス大学International Faculty、米国MCP Hahnemann大学医学部客員教授として、海外の大学でも教育研究に従事しています。教育学博士(筑波大学)、北海道医療大学名誉教授です。
 臨床経験は、医療法人社団五稜会病院、医療法人和楽会赤坂クリニック他で豊富な臨床経験を持っています。五稜会病院では常に20例以上担当しています。
 保有する資格として、一般社団法人日本認知・行動療法学会認定認知行動療法スーパーバイザー(第24号)および認定認知行動療法師(第21-24号)、一般社団法人日本心身医学会認定医療心理士(第4020号)、臨床心理士(第1738号)等の他、認知療法の「本家」であるAcademy of Cognitive Therapy(米国認知療法アカデミー、現在Academy of Cognitive and Behavioral Therapies)では、Founding fellow & Cognitive Therapist(第335号)として創設メンバーに加わっています。Association of Behavior and Cognitive Therapies(米国認知行動療法学会)ではFellow(Nov.13, 2015)として30年にわたって活躍しています。
 学会では、日本行動療法学会(現・一般社団法人日本認知・行動療法学会)元理事長、日本行動医学会名誉理事長、一般社団法人日本心身医学会名誉会員、NPO法人日本心療内科学会理事、日本不安症学会理事などを務めています。
 「認知行動療法の基礎」(金剛出版)、「60のケースから学ぶ認知行動療法」(坂野雄二監修、北大路書房)、「セルフ・エフィカシーの臨床心理学」(坂野雄二・前田基成編著)等の著書のほか、アーロン・T・ベック他による「うつ病の認知療法」(坂野雄二監訳、岩崎学術出版社)、デビッド・A・クラーク,アーロン・T・ベックによる「不安に悩まないためのワークブック:認知行動療法による解決法」(坂野雄二監訳、金剛出版)、ジャクリーン・B・パーソンズによる「認知行動療法ケース・フォーミュレーション」(坂野雄二・本谷亮監訳、金剛出版)等翻訳書も多数。論文も多数執筆しています。

<付録>

一般社団法人日本認知・行動療法学会認定 認知行動療法師資格取得に必要なスーパービジョンについて

学会の認知行動療法師資格認定規程・細則に定められた要件

  • 規定第4条第三号
    臨床研究等から認知行動療法に効果が認められる問題に対して、準拠すべき適切な基準に従って完了された認知行動療法の実践事例(認知行動療法を最後まで終えられた事例)が 2 例以上あること。
  • 規定第4条第四号
    1ケースについてアウトカムデータに基づいたスーパービジョンを継続的に受けた経験があり、その内容をケースレポートで報告できること。
  • 規定第5条
    ケースレポートの内容は、主要症状尺度を含めたアウトカムデータ(介入効果を判断できる客観指標)に基づき、認定されたスーパーバイザーによる指導を継続的に受けた1例であること。
  • 細則第5条
    資格認定規定第四条第四号について 本学会が認定する認知行動療法スーパーバイザーによるスーパービジョンをセラピー開始から終結まで継続的に受けたケースでなければならない。

    【以上を簡潔にまとめると】
     準拠すべき適切な基準に従って完了した認知行動療法の実践事例(認知行動療法を最後まで終えられた事例)1 ケースについて、アウトカムデータに基づいたスーパービジョンを、セラピー開始から終結まで継続的に受けた経験があり、その内容をケースレポートで報告することになります。

    → ということは、あるクライエントさんの問題解決がCBTの対象となるという判断ができた段階でスーパービジョンを開始する必要があります。その時点でクライエントさんの同意を得てスーパービジョンをお申込みいただくことになります。
学会資格認定委員会の補足意見

(1)「CBTを最後まで完了した」および「開始から終結まで」について、「開始」と「終結」「完了」はどの時点を指すか。
  • 治療期間中にCBTのプログラムをインテークから終了まで行ったというケースを想定している。
  • また、治療継続期間の中にCBT開始と終了の時点が明確であれば、それで要件を満たすと考える。ただし、case formulationが適切であったことや、介入法の必然性などを追加で説明する必要がある。
(例)うつ病による休職から復帰を目指している途中で、社交不安症状が顕著になってきた方に対して社交不安をターゲットにしたCBTを実施したという場合には、それが明確にされていれば適応になる。

→ 現在治療継続中のクライエントさんであっても、ある時点で、ある問題の解決にCBTが適用できると的確に判断され、CBTが実施された場合には対象となります。ただし、CBT導入の必然性が合理的に説明されなければなりません。

(2)フォローアップ期間はどのように考えるか。
  • 資格認定の要件として要求されるのは、様々あるCBTの治療モジュールを適切に運用できる力(知識・実践ともに)あるかどうかである。「アウトカムデータ」とは、症状尺度、行動データなどのプロセスを確認する記録があるかということである。ここでは、その事例が長期的に「充分改善したか」ということは評価には入らない。したがって、申請については、半年後などのフォローアップを見なくて良い。

(3)CBT「開始」について。
  • 申請にかかるCBT開始は治療開始ではない。クライアントに対してCBTを実施したいこと、スーパービジョンを受けつつ行うこと、資格申請のためのケースとすることを説明し同意いただいてからが「開始」となる。
  • 「これまでやっていた」ものを後付けでスーパービジョンを受けて、ということはできない。

(4)スーパービジョンの「継続性」について。
  • 何も問題なく実施されていても、そのチェックを行ってもらう必要がある。したがって、毎回とまでは言わないが、2回に1回くらいはスーパービジョンを受けてもらうことを想定している。
  • 資格認定委員会では原則毎回という理解をしている。
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